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このロベルト・シューマンの生家には、彼の手書きの楽譜原稿、手紙、シューマン家の肖像画、そして、シューマンや 19世紀に一線で活躍していたピアニストでロベルトの妻 クララが使用していたピアノやさまざまな所有物が収められていた。

部屋に入ると、まず ロベルトの父 アウグスト、そして 母 クリスティアーネの肖像画が目に入った。

ロベルトが生まれる 3 年前、彼の両親はツヴィカウから 30km 離れた小さな村からこの町に引っ越し、父 アウグストは彼の弟と共に書店を創業した。

 
 

ロベルトが父アウグストからもらった革製の本カバー。今でも文具店でよく見かけるような本カバー。読んでいたのは、法律書か音楽書だったのだろうか。

 

ガラスのキャビネットの中には、シューマン家が使用していたカップ、ソーサー、そして スプーンやフォーク等がまるで昨日まで使用されていたかのような良い状態で展示されていた。

 
 

クララが使用していた傘。

 

安定した仕事を願っていた母 クリスティアーネの勧めで、1829 年 5月から 1830 年 9月までの 16ヵ月間、ロベルトはハイデルベルク大学で法学生として学んでいたが、当時彼が使用していたバッグ。

 

シューマン生家には、当時ロベルトやクララが使用していたアプライトやグランドピアノがいくつも見られたが、このグランドピアノはクララ・ヴィークのいとこ、ヴィルヘルム・ヴィークが製作したもの。このグランドピアノ、なんとペダルの鍵盤まで付いている非常に珍しいもの。

もちろんこんなピアノを見たことも弾いたことも無かったが、実際に弾いてみることが許されていた。周りを見回しても僕以外にはドイツ人の老夫婦の姿だけで他には誰もおらず、ドキドキしながらも、恐るおそるそーっと数本の鍵盤に触れ、ゆっくりと シューマンの "トロイメライ" を弾き始めた。音は現代のピアノの音ほど完成された綺麗な音ではなかったが深みのある音色。自分が、シューマンの生まれたこの家の中で、彼の作曲した名曲 "トロイメライ" をクララのいとこが製作したピアノで弾き、その音が部屋中に響き渡っていることが怖い感じがした。弾いている間、部屋のどこかでシューマンが見ているような気もした。

この体験は今回の旅行で最も貴重な体験となった。

 
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